14261人が本棚に入れています
本棚に追加
「みちるちゃん!」
日曜日というだけあって、水族館は沢山の人で賑わっていて、あっという間に人の波に引き離されてしまった。
慌てて人だかりを掻き分け、みちるちゃんを探す。
押し潰されそうになりながら人込みを抜けると、壁際に避難していたみちるちゃんを見付けてホッと胸を撫で下ろした。
「焦った!」
申し訳なさそうに体を縮めるみちるちゃんに笑い掛ける。
「ご、ごめん……」
ばつ悪そうに目を逸らし、ぶっきらぼうに謝るみちるちゃん。
急に込み上げてきた笑いを、必死に押し殺したけれど、堪えきれずに漏らしてしまった。
「な、何よ?」
そんな俺を、みちるちゃんは不満げに睨む。
最初のコメントを投稿しよう!