ラストデート

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「ご、ごめん!えっと、その……はぐれるといけないし、シャツの裾でも掴んでて」 シャツの裾を手繰り寄せ、みちるちゃんが取りやすいように突きだす。 みちるちゃんは俺の顔と、ぴょこんと小さな尻尾みたいに出たシャツの裾に交互に目配せしてから、俯いて黙り込んだ。 「……みちるちゃん?」 体を曲げ、みちるちゃんの視線の高さに合わせると、覗き込む。 「……手じゃ……駄目なわけ?」 「えっ、いや、そりゃあ……俺は大歓迎だけど」 思いもよらない言葉に戸惑って、熱くなって、変な汗が吹き出る。 多分、2人揃って真っ赤な顔をしているんだろう。  
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