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「可愛いかった!」
ショーを見終えると、みちるちゃんは興奮気味に笑った。
満足げな表情に、俺も目を細める。
慌ててステージへ向かったけれど、生憎の満席で、立って見る事になった。
拍手する為に離れた手に、名残惜しさと寂しさを感じたけれど、嬉しそうなみちるちゃんの顔を見たら、そんなのもうどうでもよくなっていた。
「そろそろお昼にする?あっちにレストランがあるよ」
「あー……、うん」
みちるちゃんの歯切れの悪い返事に首を傾げる。
「お腹空いてない?それならもう少し他を見て回っても……」
まだ見ていない方を指差して進もうとする俺を、みちるちゃんがシャツの裾を引っ張って引き留めた。
「そうじゃなくて。実は……」
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