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部屋に着いてドアを閉めるなり、ベッドに倒れ込んだ。
ごろんと寝返りを打ち、反転した世界をぼんやりと移す。
気持ちがごちゃごちゃし過ぎて、何も考えられない。
何も考えたくないから丁度いい筈なのに、胸は苦しい。
この矛盾を、一体どうしたら上手く消化出来るんだろう。
そう思いながら、瞼を落として反芻する。
みちるちゃんの不機嫌そうに俺を睨む猫目。
幼く見える笑顔。
呆れたような声。
触れた手の温もりと柔らかさ。
なぞって、なぞって、なぞって……
一杯にする。
溢れてしまうくらい。
ぐちゃぐちゃだった想いが、少しだけ整頓されたみたいに、すっと心が凪いだ。
そして、清吾のさっきの言葉を思い出す。
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