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……そっか。
みちるちゃん、俺の好きなオカズのリサーチなんかしてくれてたんだ。
……なんだ、俺ってば、なかなか愛されてるじゃない。
なんて自惚れて苦笑する。
それにしたって清吾の奴。
何の嫌がらせか、嫌いな食べ物を教えてくれちゃって。
おかげで苦手だった鶏肉を、克服しちゃったかもしれない。
胸苦しさに歪んでいた顔がふっと解れる。
不恰好なおにぎりは少ししょっぱくて、ほんのり甘い玉子焼きは焦げていたけれど、あんなにもお弁当を美味しいと思ったのは初めてだ。
俺を喜ばせようと考えてくれたのだと知ったら、尚更で。
もっと味わって食べれば良かった。
思い出せば思い出しただけ、愛しさは募る。
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