不機嫌な瞳に恋してる。

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「あ、そう。良かったじゃない。この後、打ち上げあるんでしょう?早く行ってあげたら?女の子たちも喜ぶんじゃない」 しまった、と思った時にはもう遅くて、鋭く尖った視線が思い切り俺を刺す。 だけどその裏側には、俺への想いが隠れているわけで。 そう思ったら、顔は簡単にふやけてしまう。 「みちるちゃんは、俺で我慢しておいてね」 背けられた顔を覗き込めば、みちるちゃんは反応に困った赤い顔で俺を睨む。 「し……仕方ないわね」 逃げるように視線を泳がせて、ぶっきらぼうにそう答えるみちるちゃん。 「ギュッてして、いい?」 込み上げる愛しさを、もう制御出来そうになくて。 尋ねると同時に掻き抱いていた。  
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