不機嫌な瞳に恋してる。

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「まぁ、そう言うなって。桐島だって、可愛い女の子がいっぱい入ってきたら嬉しいでしょ」 「いや、別に」 昔の俺なら頷いていたんだろうけど。 そういう事にもう興味もないし、両親の離婚をきっかけに、この数年の間に俺を取り巻く環境は色々と変わってしまって、正直、今はそれどころじゃない。 ただの勤労学生だ。 「またまた。こないだの合コンで、ちゃっかり女の子、お持ち帰りしたくせに」 穴抜けを埋める為に、頼まれて仕方なく参加した合コン。 大方、コイツの狙ってたのが、帰りが一緒になった女の子だったんだろう。 やっかみ半分で絡んでくる相手にうんざりしながら、否定すべく口を開く。 「あれは違……」 「ふーん、そうなんだ」 と、どこからともなく、聞き覚えのある声がして、目を丸くしたまま辺りを見回した。  
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