番外編

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「なんだ。右京、居たの?」 部屋へ入ってくるなり、みちるちゃんはきょとんとした顔で言う。 「居たの?って、ここ、僕の部屋だから」 「そうだっけ。それにしても、外、寒過ぎっ!」 そう言って、縮めた体を震わせるみちるちゃん。 よくよく見れば、鼻の頭が赤くなっている。 可愛いな、なんて目を細めていると、こたつに入っていた俺の隣に、無理矢理押し入ってくる。 「ちょっ、みちるちゃん!さすがに狭いから。他にいっぱい空いてるでしょ」 「やだ。私は寒いの!とれる暖は全部とってやるんだから」 そう言ってすり寄ってくる彼女は背中を丸めて、それこそ猫みたいだ。
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