番外編

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「なんだ、つまんない。殺っちゃえばいいのに」 「清ちゃんっ!?」 それはそれは残念そうに、穏やかでない言葉を漏らす清吾。 その冷酷っぷりにはこれまで何度となく泣かされてきた。 「もうその辺で止めとけって、清吾」 呆れた笑いを浮かべながら、宇佐美が清吾をたしなめる。 宇佐美の背中に後光が射すのを見た瞬間。 「いいんだよ、じわじわやるから」 「あぁ」 どうやら幻だったらしいそれは、すぐさま姿を消した。 眩しさに目がくらんで、悪魔の尻尾を見逃していたようだ。 「ちょっと、君たち!?」 もちろん本気だとは思っていないけれど、まるっきり冗談とも思えなくて声を荒らげれば、穏やかな笑いが2人から返ってくる。
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