不機嫌なあの子

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「……誰」 むくりと起き上がった巨体は、寝惚け眼で俺を見つめた。 「さぁ。知らない人」 横目に俺を映して首を傾げる彼女は、例の如く冷たい。 確かに知らない人で間違いはないけど、少し挫けそうだ。 「ふーん。よく寝た」 宇佐美と呼ばれた男は興味無さそうに体を伸ばして、大きなあくびを溢した。 勿論、興味を持たれたりしても困るけど。 「あんたは寝過ぎよ。放って置いたら夜になりそうだったから起こしてやった、心優しいこの私に感謝しなさい」 ひれ伏しなさいとでも言わんばかりの上から目線で彼女は言う。  
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