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「ふーん?ちっちゃくて白くて、可っ愛いーね」
槙のいかがわしい笑い声に、俺は勢いよく体を起こした。
「わわっ」と、バランスを崩して慌てふためく槙の声が聞こえた方を振り返り、じっとりと睨む。
「槙は見ちゃダメ」
一言そう言い捨てると、槙は不満げに唇を尖らせた。
「何でよ?ケチ」
「なんかヤダ」
駄々をこねる子供のようなやり取りを交わしてふいと顔を背ければ、始業のチャイムが鳴り、拗ねた槙は更に唇を突き出して、ぶつぶつと不満を呟きながら自分の席へと戻っていった。
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