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……“大嫌い”
その言葉が深く胸に刺さって、抉られたように痛む。
なんだろう。
なんだ、これ。
ちゃらんぽらんな俺だから、女の子を泣かせた事も、「最低」「嫌い」と罵られた事もあるけれど、こんな風に胸が痛んだ事はなかった。
「……?」
そっと胸を撫でて軋むような痛みが治まるのを待ち、彼女が消えていった屋上のドアを見つめる。
冷ややかで重厚なそのドアは、彼女みたいに俺を拒んでいるようだった。
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