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「……や、大丈夫。落ちたものでも拾って食べる槙とは違うから、変なものは食べてない」
くすぐったさと申し訳なさに小さく咳払いして言うと、槙は「だよね」と八重歯を覗かせて笑った。
「宇佐美ーっ!!」
そんな時、外から聞き覚えのある声がして、はっとして顔を上げた。
窓の下を見下ろせば、みちるちゃんが宇佐美の広い背中を呼び止めたところだった。
……仲良いな。
何、話してんだろ。
埋められない距離にもどかしさを感じながら、2人の様子をじっと見つめる。
そして飛び込んできた、目を疑うような彼女の表情に、俺は反射的に席を立ち上がっていた。
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