それを何と呼ぶ?

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「おーい、清吾くーん?」 清吾は視線で本をなぞるばかりで解答をくれる気配もなく、痺れを切らせた俺はそう声を掛けた。 すると、うんざりした表情を浮かべた清吾は深い溜め息を当て付けのように溢して、ぱたんと本を閉じた。 「……心筋梗塞、狭心症、それから大動脈こ……」 「ちょっ、ちょっとちょっと!」 穏やかでない言葉を並べられ、思わず体を縮めながら言葉を遮る。 「何」 「い、いや、何って……」 面倒臭そうな目で俺を見る清吾に、むしろこっちが「何?」と聞きたい。  
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