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「要は胸が痛むんだろ?胸痛を伴う病気を上げてる」
俺の動揺を見透かした清吾がしれっとそう答えるから、俺は体を震え上がらせた。
「えっ、俺って病気なの!?」
「健康な人間なら、胸が痛くなるなんてことないだろ」
青ざめる俺に、清吾はとことん冷たく言い放つ。
「右京は頭の中も相当病んでるし、これを機に入院して、真っ当な人間に治してもらえば」
そして更に、薄く冷ややかな笑いを浮かべてそう付け加えると、再び分厚い本を開けた。
「問題は解決したし、もういいだろ。用が済んだらさっさと出てって」
素っ気なく急かす言葉に追い出されるようにして、俺は呆然としながら清吾の部屋を後にした。
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