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「美人薄命、……なんてね」
ぽつりと呟いて、自嘲するように笑う。
「美人発見!?どこどこっ!!」
人が真剣に思い悩んでいるっていうのに、相変わらず槙は頭に花を咲かせたみたいに、お馬鹿な発想だ。
いや、そもそも“美人薄命”なんて言葉、あの頭の辞書にはないのかもしれない。
「本当だ、はっけーん!!」
いししと下品な笑いを漏らす槙の言葉に、俺の耳はぴくりと反応して、どれどれと背筋を伸ばしながら横目で槙の言う美人を探す。
ひらひらと手を振る槙の視線の先に、女の子の姿。
確かに、可愛い。
……んだけど、でも、何か違う。
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