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「わざわざ言われなくても、それくらい知ってる」
「……あ、そ」
敬意なんて払えないってか。
まぁ、嫌われてるんだし、当然と言っちゃ当然だけど。
笑顔を作って気にしない素振りを見せるも、やっぱり少しばかりショックは拭えない。
「だけど、名前までは知らないもの」
不貞腐れたように呟く彼女の言葉に思わず目を見張った。
お腹の辺りがむず痒くなって、得体の知れない熱いものが込み上げてくる。
「右京って呼んでっ!」
次の瞬間、口を衝いて出た言葉にはやけに熱が入ってしまった。
必死過ぎてカッコ悪いくらい。
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