不機嫌な瞳に恋してる。

それを何と呼ぶ？

「馬鹿にしないでよ」

予期していなかった怒りの声に、きょとんとなる。
「嬉しい」とか「ありがとう」とか、歓迎してくれる可愛い反応が返ってくるのは勿論期待していなかったけど、まさか怒られるとは思っていなかった。

「人をからかって、何が楽しいの？」

彼女は苛立たしげに俺を睨んで更に責め立てる。

「馬鹿になんてしてないよ？からかってもないし」

……なんでそういう答えに行きつくかな。

そう思いながら、首を傾げて否定するけれど、彼女はまだ今にも噛みつきそうな勢いで俺を威嚇する。