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「そうやって言えば、誰でも尻尾振ってついてくると思ってるんでしょ!?あんたの周りにいる女の子たちと一緒にしないでよ!」
「みちるちゃん」
過熱して悪態を吐く彼女を、名前を呼んで制する。
我に返った彼女は、勢い任せに出た自分の言葉を悔やむように、表情を曇らせて視線を足元で泳がせた。
「そんな風に思った事、ないよ。それに、そんな子ばかりじゃないし」
「……あ、そ」
彼女は拗ねたみたいに唇を少し尖らせて、短く頷いた。
それにしても、勢いとはいえ、言った本人が一番凹んでいるんだから、可愛くて愛しくて……
そっと手を伸ばし、頭を撫でた。
「触んないで」
けれど、艶やかでさらりと流れる髪の感触を堪能する前に、その手は叩き落とされてしまった。
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