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つれないなぁ、と思って苦笑を漏らす。
まぁ、そんなところがきっと俺の中の何かを惹き付けるんだろうけど。
「そんな警戒しなくても大丈夫。無理矢理取って喰ったりしないから」
肩の位置まで掲げた両手をパッと広げて、安全な男だとアピールするも、それを映す不審者を見るような目からは、一向に警戒心が薄れることはない。
むしろそれは色濃くなって、俺を変質者にでも仕立て上げる勢いだ。
「……受け入れなくてもいいから……否定はしないでよ」
腕と一緒に肩も落として、苦笑しながら嘆息を吐く。
やっぱり本当は……ちょっと、悲しくて。
珍しく弱気になったのが表情に出たのか、戸惑った猫目が俺の本心を探るように揺れ動く。
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