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「で、何の用」
すぐに手元の本に視線を戻した清吾は、無表情な声で無愛想にそう尋ねてくる。
でも、面倒臭そうにしていても、結局ちゃんと話を聞いてくれるんだから。
……きっと、やっぱり何だかんだ言って、お兄ちゃんの事が大好きなんだなっ!
ポッと頬を赤らめて、清吾のツンデレ具合にときめいていると、怒りを含んだ、責め立てるような冷たい視線が突き刺さってくる。
「用がないなら、出てって」
その発信源に目を向ければ、いつの間にかドアの所に立っていた清吾が、出ていけとばかりにドアを開け放ち、怖いくらいの笑顔で待っていた。
「あ、あります!あります、用事っ!!」
慌ててそう答えると、清吾は心底嫌そうな顔をしてドアを閉めた。
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