14262人が本棚に入れています
本棚に追加
「恋をしちゃいました」
床に正座して畏まった俺は、単刀直入に、努めて可愛くそう言った。
「……は?」
すると清吾は、眉間に深いシワを刻んで、馬鹿にしたような視線を向けてくる。
「いや、だから……昨日言ってた胸のザワザワやらチクチクの正体」
「コイ」
まるで初めてその言葉を知った子供のように、清吾は間抜けな声で言葉をなぞる。
そんな風に改められると、なんだかくすぐったくなって小さく身を捩った。
最初のコメントを投稿しよう!