特効薬、ください。

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「さあ」 緊張感に押し潰されそうになる中、待ちに待った答えは、思いの外あっさりしたものだった。 興味ないとでも言うような、特に考え抜かれたものでもない答えに、がっくりと肩を落とす。 その答えに当然だと納得しながらも、やっぱり心のどこかで、別の答えを期待していた。 馬鹿な自分の考えを蔑むように、落胆を誤魔化すように、小さく笑いを漏らす。 「そんなものに定義なんてないじゃない」 てっきり突き放されてしまったものだと思っていた俺は、彼女の口から続いた言葉に目を見張った。 「自分が相手にどんな風に映るかは、見る人によって違うんだから、相手が思う“その人らしさ”なんて、きっと皆違うと思うわ。尤も、あんたの普段の行いが物を言うわけだけど?」 からかうような薄ら笑いを浮かべて、最後の最後に嫌味っぽく言うのは、まさにみちるちゃんらしい。  
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