不機嫌な瞳に恋してる。

特効薬、ください。

「ちゃらんぽらんでいい加減な八方美人と思うか、明るくて話しやすい社交的な人と捉えるか」

良く言えば社交的、悪く言えば八方美人。
殆ど180度変わる印象に、物は言いようだな、なんて感心してしまう。

「少なからず、人は自分の目に映る相手から受けた印象を頼りに、その人がどんな人物かを勝手に作り上げるものだと思うから、あてになんないわ。そんなものに捕らわれてないで、ありのままで居ればいいじゃない」

自分を見失いかけていた俺に、彼女の一見冷たいようでいて優しい励ましの言葉はじわりと染み入るようだった。

「……ちなみに、みちるちゃんから見た俺ってやっぱり、前者？」

なかば諦めながらも尋ねてみれば、彼女は考え込むように黙りこくってしまった。