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「……本当は他人に無関心なくせに笑って隠して、なんだか寂しい人」
少し躊躇うように落とされた言葉に、ギクリと肩を揺らす。
まさか、真正面からこんなにはっきりと“寂しい人”なんて言われるとは夢にも思わなかった。
重なる手を強く握れば、彼女は少し身を引いて、不安と警戒を露にした。
それはズキッと胸に刺さる小さな痛みになる。
「……今は、違う」
今にも沈黙に溶けて消え入ってしまいそうな絞り出した声に、彼女は静かに瞼を揺らした。
「自分を繕うことも忘れて、ただ君が好きだ」
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