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──最近、同じ夢をよく見るようになった。 あちこち破れたボロボロの着物を着て、二振りの刀を持った自分が、裸足で山を登り続ける夢だ。足の裏や掌が傷だらけ、血まみれになっても、永遠に走り続ける。そんな夢。 走り続けた自分は、山奥でやっと止まることが出来る。岩で出来た天然洞窟と水の澄んだ池が一つ。轟々と滝の音が響く、何ともまあマイナスイオン溢れる場所。そこに着いた夢の中の俺は、一度その場にしゃがみ込む。息が整って来たら、今度は一歩一歩踏み締めるように歩き、暗い洞窟の中に入っていく。 夢は、そこで覚める。 (何なんだ……) 釈然としない思いを抱えたまま、政宗は新しい教室に入る。今日から新年度、政宗達の最高学年としての年が始まった。新しいクラスはB組。クラスメイトは長政と幸村、それから佐助だった。A組にはお市とかすがと元親、C組には小太郎と元就、D組には秀吉と慶次と半兵衛がそれぞれ振り分けられた。 「伊達。少しいいか」 席に着いたきりぼうっとしていた政宗を、長政の声が現実へと引き戻した。 その時見た長政は、少し生気を吸い取られたような顔色だった。元々善悪とお市に関わること以外は大人しい長政だが、今日は一段と元気がない。五月病に罹るような質でもない彼が一体どうして。 「Ah... 何だ?」 「今日の始業式が終わったら、生徒会室に集まってくれないか? 真田と猿飛も」 「OK」 「分かり申した!」 「ん、了解」
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