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ドキドキが止まらない♪
こんな感覚初めてだった
背中越しに感じる彼の息
もっとじっくり見たい…見たいけど…
見ていた!!
身体が勝手に動いて回れ右してた
振り向いた先に見た凰上櫂斗と呼ばれた男の子
さっき入って来たばかりの筈なのに…
「もう寝てる…」
机に突っ伏すように堂々と寝ていた
寝ているなら…と亜音も堂々と見つめた
ここぞとばかりじっくり見た
二度目見てもやっぱりタイプ♪
さっきは見えなかった胸元のアクセサリー
ロザリオの中心に真っ赤な石が嵌め込まれた珍しい物を着けていた
(うっ…クリスチャン?)
と思うも
(関係ないやい!!タイプの男の子がクリスチャンだろうがなんだろうが!!)
またじっと見る
まじまじと顔を近付けて…
『コラッそこ!!前向いてろ!!』
「はいっ!!」
先生に注意され慌てて左向け左!!
ちょこんと座り直しお行儀良くホームルームの話を聞こうとした
ツンツン!!
髪が引っ掛かる?
ツンツンツンツン!!
いや?引っ張られてる?
不思議に思い振り返って見ると、さっきまで突っ伏し寝ていた櫂斗が亜音の髪を掴み引っ張っていた
「あっ♪」
「なぁ…」
「はい!!」
「お前…」
(何?何?いきなり告白?もしかして彼も私に一目惚れ!?)
「お前…誰?」
「ほげっ?」
「誰?…お前…前から居たか?」
(えっ?もしかして魔法が?!)
「あ、あぁ~やだなぁ~凰上君!!
ま、間宮亜音だよ~
前から居たよ~?
忘れないでよ!寂しいなぁ~…」
「………そうだっけ?………まぁ…どうでもいいけど…」
バタッ!!
言うだけ言ってまた寝た
(えっ?それだけ?
『お前のこと…一目見て惚れた!』…………とかじゃ………
そんな訳ないか…
ロイの魔法の効き目が悪いのかと思った…
ちょっと焦った~…)
もう一度先生の目を盗み櫂斗の方を向く亜音
長い睫毛が揺れ
静かな寝息
男らしくも綺麗な顔立ちにまた見惚れた
「はぁ…♪」
小さく漏らしたため息
出逢って数分後の恋煩いのため息だった
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