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次の授業が終わっても起きない櫂斗
何処に行くわけでもなくいつ櫂斗が起きるか亜音は自分の席で待ってみた
チラチラ視線を送ってみたがやっぱり起きない
教室の片隅では相変わらず零音を取り巻く生徒達
小さなため息を落とした時、次の授業が始まるチャイムが鳴ってしまった
午前中の授業が全て終わり各自机を囲むように移動させお弁当を出す
亜音も待ちに待ったように自分のお弁当を机に出した
包みから出し蓋を開けようとした時
『ちょっと~!誰かニンニクの匂いするんだけど~!!』
ドキッ!!
(わ、私だ…)
『学校にニンニク料理なんてあり得な~い!!』
そんな女子生徒の声が聞こえ亜音はお弁当の包みを元に戻した
(さすがにここでは食べ辛い…
何処か違うとこ行こう…)
静かに席を立ち教室を出ようとした
(あれ?凰上君が居ない…)
振り向いた先にまだ寝てるだろうと思っていた櫂斗が居なかった
(どこ行っちゃったのかなぁ?)
ちょっぴり残念に思いながら教室を出る
廊下間際でチラッと零音の方を見ると、何人かの女子生徒に囲まれロイから渡されたオムライス弁当を食べていた
(デミグラスソース付き)
『間宮君のお弁当~可愛い~♪』
『デミ付きだよ~♪超乙女っぽい~♪』
「乙女は余分だよ♪僕はれっきとした男だよ?
ただトマトベースが好きなだけだよ!」
『トマトが好きだって~♪
そこも超可愛い~♪』
「可愛いなんて言うなよ♪」
(なんか楽しそう…
私もニンニクの匂いなんかしなかったら仲間に入れたかなぁ…)
ちょっと悲しい気持ちになったけど大好きなニンニク風味唐揚げだけは譲れない!!
毎日食べたいもん!!
自分の食の好みを曲げれずみんなの輪に入ることを諦めた亜音はきっと誰も居ないだろう屋上に向かった
静かな階段を上がりスチール扉を開けようとした時、微かにエロい香りが亜音の鼻をくすぐった
クンクン♪
(美味しそうな匂い~♪)
誘われるようにスチール扉を開け、屋上の一角にフラフラと歩み寄った
『誰か来るかも…』
『誰も来ないよ…』
『でも……あっ……』
(えへっ♪誰かエッチなことしてる?)
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