魔界人だって恋をする

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給水塔の影に隠れエッチなことしてるカップルを覗き嗅ぎ 鼻をひくつかせカップルのエロい香りを堪能していた (この学校意外に性的行為OKなのかな? だとしたらオヤツに困らないなぁ♪) 不埒な考えを頭に抱き気付かれないようこっそり嗅ぎ続けた (そろそろ満足してきたなぁ… 別腹的なものはお腹一杯になってきたから… 今度はお弁当食べたいなぁ~) そう思った時 「お前…他人のエッチ見て楽しいのか?」 (えっ?) 頭上から聞こえた鼻にかかった声 誰も居ないと思って悠長に嗅いでいたことが恥ずかしくなった 「えっ?えっ?何処から?」 顔をキョロキョロさせ見渡してみても誰も居ない 「よっと!」 また声が聞こえたかと思ったら背後にトスッ!と降り立つ音が聞こえた 振り向くと 「えっ?お、凰上君!?」 「スケベ女…ふぁ~!」 寝癖のついた髪をワシワシと掻き大欠伸をした櫂斗がいた その音に気付いたカップルは 『イヤッ!』 『居たのかよ!』 と口々に言いはだけた制服を直しながら屋上を慌てて出て行く そんなカップルにも目もくれず櫂斗が居たことにフリーズしてしまった亜音 “スケベ女”と言われたことも忘れてポカーンとしてしまった 「バカ面スケベ女…」 「フェッ!!ち、違うよ!!」 「何が違うんだよ…ずっと見てたじゃねぇか…」 「見てないよ!!嗅いでたんだよ…」 「嗅いでた?………お前…何言ってんの?」 「えっ?あ、あの~…」 エロい匂いを嗅いでましたとは言えない 淫魔だからなんて説明するなんてもっての他だし… 「えっと~その~…」 「………」 慌てふためく亜音を横目で見たまま無表情で髪を掻いた櫂斗 興味が失せたようにフンッ!と息を吐くと 「変なヤツ…」 と言って給水塔の裏に向かって行ってしまった 「あっ…」 (変なヤツって言われちゃった!! スケベ女なんて思われちゃったし…最悪だよ… でも…出てかないんだ… さっきのカップルは居なくなったし… ここには凰上君と二人きり…?) ヘコんだのも束の間、今この空間に櫂斗と二人きりなことに喜ぶ亜音だった .
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