▽君となら

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   来月、裕翔くんと  二人っきりで初めての  旅行に行けることになった。  俺は、嬉しくて嬉しくて  張り切りすぎて  本屋で有り得ないくらい  大量の雑誌を買って  家で読んでいた。  どこへ行こうかな?  北海道もいいし、  沖縄も二人で行くのもいいなあ!  あ!俺、ちょっとなら  韓国語話せるし  韓国行って、いい所見せれたら  一石二鳥じゃね!?  なんて、浮かれてた。  …隣に君がいるのに。  涼 「なあ、裕翔くんはどこ行きたい?    国内じゃなくて国外でも    いいなって思ったんだけどさ!」  目線は雑誌のまま呟いた。  俺は韓国の特集の記事に  釘付けで、何も気にしてなかった。  裕翔くんの返事もきっと  「いいと思うっ!」とか  「えー?(笑)」とか  何気ない言葉が  返ってくると思ってた。  なのに、  裕 「山ちゃんとなら    …どこでもいい」  と呟かれたあなたの唇。  俺は、そこで初めて  雑誌から目を離した。  俺の視界に入ったのは、  切なそうな表情の  裕翔くんが遠くに座っていて。  俺は…自分の馬鹿さに呆れた。  何をやってんだろ…  場所ばっかり気にして。  一人張り切って  裕翔くんのこと  ほったらかしにして。  …自分のことしか考えてなかった。  俺は立ち上がって  裕翔くんを引き寄せ抱き締めた。  
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