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来月、裕翔くんと
二人っきりで初めての
旅行に行けることになった。
俺は、嬉しくて嬉しくて
張り切りすぎて
本屋で有り得ないくらい
大量の雑誌を買って
家で読んでいた。
どこへ行こうかな?
北海道もいいし、
沖縄も二人で行くのもいいなあ!
あ!俺、ちょっとなら
韓国語話せるし
韓国行って、いい所見せれたら
一石二鳥じゃね!?
なんて、浮かれてた。
…隣に君がいるのに。
涼 「なあ、裕翔くんはどこ行きたい?
国内じゃなくて国外でも
いいなって思ったんだけどさ!」
目線は雑誌のまま呟いた。
俺は韓国の特集の記事に
釘付けで、何も気にしてなかった。
裕翔くんの返事もきっと
「いいと思うっ!」とか
「えー?(笑)」とか
何気ない言葉が
返ってくると思ってた。
なのに、
裕 「山ちゃんとなら
…どこでもいい」
と呟かれたあなたの唇。
俺は、そこで初めて
雑誌から目を離した。
俺の視界に入ったのは、
切なそうな表情の
裕翔くんが遠くに座っていて。
俺は…自分の馬鹿さに呆れた。
何をやってんだろ…
場所ばっかり気にして。
一人張り切って
裕翔くんのこと
ほったらかしにして。
…自分のことしか考えてなかった。
俺は立ち上がって
裕翔くんを引き寄せ抱き締めた。
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