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裕 「ねぇー、ちねーん」
机に全体重をかけて
寝転びながら
僕のことを呼ぶ裕翔くん。
知 「ちょっと、
裕翔くんだらしないっ」
裕 「だってぇ…」
知 「だってじゃなーい」
そう言うと裕翔くんは
机に顔を伏せた。
あれ、怒っちゃった?
知 「裕翔くん?」
少し顔を近づけて
話しかけると
少し顔をあげた。
そんな裕翔くんの顔が
切なそうだから
こっちまで切なくなった。
裕 「…だって、見れないんだもん」
知 「、何が?」
裕 「…山ちゃん」
裕翔くんの席が一番窓側で
僕が裕翔くんの右隣で
山ちゃんは同じ列の一番廊下側。
ちらっと右を見てみると
山ちゃんと目が合った。
すぐに顔を反らされてしまったけど
その、例の山ちゃんも
なんか切なそうな表情をしてて
…僕はなんとなく
分かってしまった。
ついに、
山ちゃん動き出しちゃったか…
顔を裕翔くんの方へと戻すと
また顔を伏せてしまっていた。
裕 「昨日、山ちゃんに告白された…」
小さな声で
はっきり、そう呟いた。
山ちゃんは、
ずっと裕翔くんが好きだった。
僕も知ってた。
だから、
いつかこうなることは
分かっていた。
裕翔くんだって、
山ちゃんが好きだった。
両思いの二人を
僕は、正直
…うんざり思ってた。
早く、くっつけばいいのに。
僕の前でラブラブして
見せつければいいのに。
そしたら、僕だって
簡単に諦められたのに。
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