△(好き)と(好き)

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   裕 「ねぇー、ちねーん」  机に全体重をかけて  寝転びながら  僕のことを呼ぶ裕翔くん。  知 「ちょっと、    裕翔くんだらしないっ」  裕 「だってぇ…」  知 「だってじゃなーい」  そう言うと裕翔くんは  机に顔を伏せた。  あれ、怒っちゃった?  知 「裕翔くん?」  少し顔を近づけて  話しかけると  少し顔をあげた。  そんな裕翔くんの顔が  切なそうだから  こっちまで切なくなった。  裕 「…だって、見れないんだもん」  知 「、何が?」  裕 「…山ちゃん」  裕翔くんの席が一番窓側で  僕が裕翔くんの右隣で  山ちゃんは同じ列の一番廊下側。  ちらっと右を見てみると  山ちゃんと目が合った。  すぐに顔を反らされてしまったけど  その、例の山ちゃんも  なんか切なそうな表情をしてて  …僕はなんとなく  分かってしまった。  ついに、  山ちゃん動き出しちゃったか…  顔を裕翔くんの方へと戻すと  また顔を伏せてしまっていた。  裕 「昨日、山ちゃんに告白された…」  小さな声で  はっきり、そう呟いた。  山ちゃんは、  ずっと裕翔くんが好きだった。  僕も知ってた。  だから、  いつかこうなることは  分かっていた。  裕翔くんだって、  山ちゃんが好きだった。  両思いの二人を  僕は、正直  …うんざり思ってた。  早く、くっつけばいいのに。  僕の前でラブラブして  見せつければいいのに。  そしたら、僕だって  簡単に諦められたのに。  
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