第2話 灰被りのお姫様 3

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クリスマスも終わり、世間では年越しの準備に追われる中でCafe Venusにはいつも通りの時間が流れていた 客は高校生が一人。カウンター席で勉強道具を広げてかれこれ3時間コーヒーしか飲んでいない カウンター席に他の客は無く、美人ウエイターがだらしなく座ってテレビを眺めている そして店長は客に出す為に仕入れた質の良い豆を使ってコーヒーを煎れて自分で飲んでいる 「今日のゲストはアイドルの皐月聖ちゃんでーす!」 「よろしく、お願いします」 「なんだとぅ!?」 サングラスをかけた司会者の声に新聞を読んでいた宗一が物凄い勢いで顔を上げた 「えー、聖ちゃんは今年の ”娘にしたい芸能人”、 ”妹にしたい芸能人”、 ”同級生にしたい芸能人”ランキング全てで1位という、まさにあらゆる世代から愛されるアイドルです!」 「はい、3つとも1位の人は・・初めてらしくて」 「娘かぁ・・・」 「妹かぁ・・・」 「クラスメイトかぁ・・・」 三者三様の妄想が始まり、 「「「あり(だ/よ/ね)!!」」」 同じ結論に至ったようだ
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