第2話 灰被りのお姫様 3

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「・・・ん?」 「どうかしましたか、マスター?」 聖が出演した番組が終わって新聞に目を落とした宗一がまた顔を上げた 「ちょっと行ってくる」 立ち上がった宗一は店の奥へ引っ込み、 「いやー危なかった、マジで」 脇に箱を抱えて数十秒ほどで戻って来た 宗一は自分の横の棚に箱を起いて再び新聞を読み出した 「マスターこれなんですか?」 「迂闊に触るなよサーシャ、死ぬぞ」 その言葉に手を止めたサーシャだったが、 「ま、またまたぁ♪こんな綺麗にラッピングされてるのに触って死ぬわけ無いじゃないですか♪」 「開けて良いけど開けたら毒ガスが噴出して多分死ぬぞ」 「・・・・・マジですか?」 「マジです」 「マスターどこからこんな危ないもの持ってきたんですか!?危うく死ぬ所だったじゃないですか!!!」 サーシャは半ベソかきながら宗一の肩を掴んでブンブン振り回している 「聖ちゃんの控え室」 「え?」 「これは彼女に贈られてきた物。あの娘に渡したネックレスが教えてくれたから回収してきたんだよ」 ライブの日に彼女に渡したネックレスは、奈緒が持っているものと似た力を持っている。 奈緒の物とは違い、彼女に危険が迫った際にオートで反応する代物だ それが反応したので宗一がサッと回収してきた訳だ 「え、そんな・・・・」 二の句が継げないサーシャ 「あの娘に、聖ちゃんに死んで欲しいと思う奴が居るんだろうな」
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