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ふむふむ…
会社での上司への敬い方。
合コンでの異性への接し方。
接客業での客への対応の仕方。
告白の正しいやり方、振り方。
テーブルマナー…
といった多種多様な状況の中で役に立つことがたくさん書き込まれてある。
―しかし。
『友人との接し方』というような項目がない。
「マジで無いのか？」
一通り本をパラパラめくる。
…無い。
全くもって『友人との接し方』的なことを書き記されていないのだ。
「…………」
思わず固まっちまったよ。
同時に、
「…へへッ」
笑いがこみ上げてきた。
別に、絶望のあまり気が狂ったとかじゃないぞ？
「ハハ、役立たずだな」
俺は、この本に
ﾃﾒｪ
(友人関係くらい自分でなんとかできるだろ？)
と言われているような気がした。
「ヘッ…やってやるぜ」
逆に自信がついてきた。
晩飯を済ませ、ふと時計を見る。
「19時半か…」
風呂でも入ろうと行動に移す。
「～♪」
俺、入浴中。
やだー。覗かないでよねー。エッチ！
「おっと…シャンプー切れてるの忘れてた」
昨日切らせたんだった。
「今日は水洗いでいっか」
とりあえず身体だけボディーソープで洗い湯船に浸かる。
「ふぅー」
浸かりながらふと考える。
そういえば和久って俺が何か怒らせちまっても、すぐに謝れば「ハァ…仕方ねぇなー」とか言ってすぐに笑い飛ばして赦してくれる。
「あん時、やっぱ素直にすぐ謝ればよかったな…」
―あそこの選択肢で…
そこで気付く。
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