新しい朝

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目が覚めた。 気が付けば朝だった。 「んむむー…ねむい…」 とりあえずベッドから起き上がる。 「…あ。今日学校…」 時計を確認。 ―7:48 昨日は慣れない夜ふかしをしたのだ。 無理もない。 「あー!ちこくする!」 少女は布団を蹴飛ばし、自室を飛び出る。 「おかーさん!おかーさーん!」 少女は一階に向かって母を呼ぶ。 しかし階下から返ってきたのは低く渋い声。 「お?どうした、母さんならまだ眠ってるぞ?」 「なんでぇ!?」 「眠いからだろ?」 「わかってるよ!じゃなくてー!なんでおとうさんがいるの!」 「いやー。今日は俺と母さんの結婚記念日なんだ。だから珍しく家に俺がいるってわけ」 「あ、へー。そうだったんだね、おめでとー…じゃなくって!あたし学校なの!」 「? 休めよ」 「非常識っ!?」 少女は改めて実感する。 ―うちの親はダメ人間だな、と。
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