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けっきょく学校には遅刻した。
「…………。」
少女は、ずぅぅぅぅぅん…と今にも効果音が聞こえてきそうなくらい、落ち込みオーラを放出している。
彼女の目標は無遅刻無欠席の皆勤賞。
それが本日あっけなく途絶えた。
そんな彼女に声をかける少女が二人。
「〇〇ー、元気だしなよー。ウチの皆勤賞あげるからさー」
「…いらない。自分でとらなきゃ意味ないもん…」
「じゃあ来年頑張ろ? わたし応援するよ?」
「…応援って何…?」
「えっ?あ…んー、わからない…」
「…何にもできないくせに励まさないでよ…」
「ひ、ひど! わたしは〇〇を元気付けようと思っただけなのにぃ…ふぇ…」
「おいおい〇〇。△△が泣いちゃったぞー」
「仕方ないなー。△△。よしよーし。ほら泣き止んでー」
「…ぇぐっ…うっ…うん…」
これではどちらが励ましているのかわからい。
しかしこの光景こそが彼女たちの日常なのである。
このつまらなさそうな平凡な日常。
いつまでもなんとなく続くような日常。
しかし、そんな日常こそがもっとも脆く…儚い。
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