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息を乱して、だんだんと動きをはやめる優君。もう終わる。はやく、はやく終わって…っ。
そう思ったとき、優君の口から声が漏れて……
「理絵…っ!」
―え?
「由紀…気持ちよかった…?俺は気持ちよかった…」
優君は体から力が抜けたかのように
私から離れた後、布団に寝そべった。
そんな中かけられた言葉に私は返答をすることができなかった。
今のは聞き間違い?
だよね…?
理絵って言ってないよね?
「初めてなのに最後までしてごめんね」
優君が話しかけてきている言葉が理解できなくなるくらい
私はいっぱいいっぱいになっていた
果てるときに
理絵の名前を呼んだ気がしたからだ
「由紀…?」
やっと優君の言葉を脳みそが理解し私は乱していた息を整え始めた
優君は乱していた息をもう鎮め終え
私の様子をうかがってくる
「気持ちよかったよ…」
まだ少し乱れた息遣いとともに
弱々しく私は告げる
私だってこういう行為に興味がなかったかといえば
嘘になるくらいには、しっている
気持ちよかったっていう嘘をつくことくらいは簡単にできる
現に優君も微塵も疑うことなく
嬉しそうによかったと呟いている
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