10393人が本棚に入れています
本棚に追加
「兎に角無理はしてはならんぞ。」
このような感じで、俺は慶子が心配で心配でならなかった。
その慶子が、俺が病気になった時から、といっても仮病だが、ずっと看病をしてくれているのだ。
しかも寝ずに。寝ている俺の傍らで座りながら。
これをされてしまうと、流石の俺も仮病を断念せざるを得なかった。
翌日には、元気一杯である姿を見せる為に、朝から裸で寒風摩擦を行ったくらいである。
という訳で、仮病は一日で断念した。
しかしこれで断念しなくても、結局は休めなかったであろう。
それはその翌日に、武田家からの使者が来たからである。
最初のコメントを投稿しよう!