僧善秀の思い

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坊様「何か御用ですかな?」 「いや、ガキ…じゃなく子供達が元気に論語を読む声がしたものですから、聞き入っておりました。」 坊様「ほう、あなた様は論語をご存知で。」 「知ってるって程ではないのですが、少しだけ。」 坊様「武士や高僧の皆様の間ではよく読まれているとは存じておりましたが。」 「坊様、私に論語…というか読み書きを教えてもらえませんか?」 するどい嗅覚で何となく論語の話が長くなりそうだったので、その話にカットインして本題を言ってみた。すると、 坊様「かまいませんよ。ただ、私も忙しいので、子供達を教える時間に来ていただければ。 私のいない時間は論語を貸し出しますので、ご自分で読んで下さい。」 (ラッキーな展開だな。しばらく通ってみるか。これで少なくとも読めるようにはなるだろう。) 明くる日より俺の寺通いが始まった。
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