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「な、なんだよ……。どうなってやがんだ……」
三沢の面を見て桂零は絶句した。余りの衝撃的光景に意識が飛ぶかとも思った。
三沢の額には、ナイフの様な何かがズブリと突き刺さっていたのだ。
「お、おい!! 裕也ァ!!」
桂零の叫びに三沢は答えない。そのまま力が抜けてしまったかの様に、バタリ、と横に倒れた。
（何だよコレ!! 何がどうなってやがる!!）
「きゅ、救急車。救急車だ!! 救急車を呼ばないと!!」
携帯電話が入ったポケットに手を突っ込もうとするが、慌てているためかポケットに手をいれて携帯電話を取り出すという事さえ簡単にはいかなかった。
まるで水の中でもがいている様なもどかしさが桂零の背中を蹴る。
やっとの事で携帯電話を取り出した桂零は、折り畳み式のソレを開いて一一九と震える指で叩き込む。
……が、その指の動きが止まった。
「しまった。タイミングを見誤ってしまったか。まさか人間がいるとは……。消せば良いか。うん？ 人間は殺してはいけないのだったな」
低い声が、桂零の耳に届いた。
無論、倒れている三沢は喋れないし、青井の声ではない。勿論、桂零の物でもない。
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