日常が崩れ落ちる音。

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「地球温暖化がどうでも良いですって!?」 不意に、明らかに桂零に向けられた甲高い声が背後から響いた。 「面倒なヤツと会っちまった……」 振り向くのも怠い、と桂零はそれだけを呟いて歩き続けた。 声の主には心当たりがあった。 「ちょっ……。無視すんな!!」 威勢の良い声と同時、桂零の背中に衝撃が走った。 ドオッ!! と桂零の背中を蹴り飛ばす細く白い足。だが、見た目とは裏腹に物凄い力を放っていた。 「うぉおおおお!?」 前に倒れる、では済まない。 野球で言うところのライナーだ。 背後の何者かに蹴り飛ばされた桂零は重力を無視してリニアモーターカーの様に真っ直ぐノーバウンドで一○メートルは飛んだ。 ズザーッ、と着地した後も三メートルは身体を引きずった桂零。 全身の骨が砕けたのかとも思った、が、動ける辺りそうではないのだろう。 全身から噴き出す汗が地面から砂を吸い取って更に気持ちが悪い。桂零はギシギシと軋む身体と、夏特有のけだるさに負けじと身体を起こして、 「だぁあああああ!! この糞暑い時に何しやがんだこの怪力もやし女!!」
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