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「うん。といっても、家は市内だけど」
「あ、じゃあ、もし良かったら今度街を案内してもらってもいいッスか? 俺も家が市内なんスけど、今のところ知ってる店ってスーパーぐらいで。おすすめの服屋とかあったら教えてほしいなって」
「別にいいけど……。でも、いいの?」
「何が?」
「いや、普通そういうのってクラスメイトとか同学年の部員とかと行くもんじゃないかなーって」
知り合って間もない先輩と二人きりで出かけるなど、気を遣って仕方がない。少なくとも自分は御免だ。そう思って硅が言うと、百瀬は前を向いて静かに答えた。
「いいんスよ。俺、そういうの気にしないし」
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