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「アルクスさんは優しい人です。
なんとなく…ですけど
そんな気がするんです。」
「…そんなに簡単に人を信じて、今まで騙される事はなかったのか?」
アルクスは呆れたように少女に言った。
しかし、アルクスは妙な気持ちになった。
テロを起こしてから今まで、自分を信じようとする者はおろか、自分に近づこうとする者すらいなかった
そして何よりその少女の健気な姿が、アルクスの死んだ妹の姿と重なったからだ。
「まず信じてみなきゃ、何も始まりませんから。」
少女は自分に言い聞かせるように言った。
「そうかよ仕方ねぇ…
じゃあ暇つぶしに俺もお前を信じてやる。
また盗賊とかに襲われねぇよう護衛してやるから、カルボ村まで案内しな。」
「はい!
私、セルティって言うんです!
よろしくお願いします。」
セルティは笑顔で答え、自己紹介をした。
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