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その声に少女が振り返ると、若干目つきの悪い青年がそこに立っていた。
「港町ってどっちにあるんだ?
案内しろ。」
その青年が表情一つ変えずに言った。
「えっと…
港町といえば、カルボ村ですよね?
多分あっちだと思うんですけど。」
たじろぎながら少女が答える。
「なんだ多分って?
確実じゃねぇのかよ。」
少女を睨みながら青年は言い放つ。
「すみません…
実は私も迷子なんです。」
「私『も』だと?
いつ俺が迷子だと言った?
ただ、道が分からねぇだけだよ!」
それを迷子って言うんじゃ…と、少女は言おうとするが慌てて口を閉ざす。
「でも私はカルボ村から来たんです。
だから案内できると思います。」
そう言って少女は歩き始める。
青年はチッ…と舌打ちをしたが、歩いていく少女の後に続く。
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