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どれくらい歩いただろうか…
しかし周りの景色は殆ど変わっていないように思えた。
「おいてめぇ!
本当に案内する気あんのか?」
痺れを切らした青年が言った。
「あれ?
こっちだったと思ったんですけど…。」
「もういい!
お前みたいなガキを頼ったのが間違いだった!」
そう言って青年が立ち去ろうとした時、目の前に複数の盗賊が立ちはだかった。
「爆焔使いのアルクス…
あの女の命が惜しければ、素直に俺達に殺されるんだな!」
その言葉にアルクスと呼ばれた青年が振り返ると、少女が一人の盗賊にナイフを突き付けられていた。
「た…助けて…。」
少女のその言葉に青年のある記憶が蘇る。
しかしそれを振り払い、青年は言った。
「そいつは俺には関係ない
人質にするだけ無駄だぜ。」
それを聞くと少女にナイフを突き付けていた盗賊も、周りにいた盗賊も一斉に青年に襲いかかった。
「爆焔使いのアルクス!
てめぇの首の賞金は俺達のもんだぁ!」
「………!」
少女は恐怖に震えて、目を瞑った。
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