始まりのプロローグ

3/6
前へ
/8ページ
次へ
倫太郎「そうか、それが運命石の選択か。エル・プサイ・コングルゥ」 別れの合い言葉を最後に、深刻な顔のままケータイを耳から離して、懐にしまった 運命石の選択<シュタインズ・ゲート> それはいわば“神ヶの意志”あるいは“運命”と同じ意味を表す。 その存在を知る者は、世界中でも数えるものだろう。 さてと、それでは早速、潜入するとしよう。 俺は目の前にそびえるビルへ向かって足を踏み出した。 敵地への潜入だ。バカ症状に正面から突入するような愚を、俺は冒したりはしない。 エレベーターやエスカレーターは使わず。階段を上って最上階である8階に向かう。 だが7階まで来たところで力尽きた。 まゆり「さっき、ケータイて、誰と話してたのー?」 俺の後ろをついてくる少女──椎名まゆりが、息を切らした様子もなくそう聞いてきた。 俺は階段を上り切ったところで膝に手を置き、一息つく。 階段を使うべきじゃなかったかもしれん・・・・・。キツすぎ・・・・・。 額に滲む汗を手で拭いつつ、まゆりへと向き直った。 倫太郎「聞くな。それがまゆりのためでもある」 まゆり「そうなんだー。オカリン、ありがとー」 まゆりは嬉しそうに微笑んだ。 こいつは実に物分かりがいい。 俺の立場もわきまえてくれていて、深く突っ込んでくることもない。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加