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倫太郎「そうか、それが運命石の選択か。エル・プサイ・コングルゥ」
別れの合い言葉を最後に、深刻な顔のままケータイを耳から離して、懐にしまった
運命石の選択<シュタインズ・ゲート>
それはいわば“神ヶの意志”あるいは“運命”と同じ意味を表す。
その存在を知る者は、世界中でも数えるものだろう。
さてと、それでは早速、潜入するとしよう。
俺は目の前にそびえるビルへ向かって足を踏み出した。
敵地への潜入だ。バカ症状に正面から突入するような愚を、俺は冒したりはしない。
エレベーターやエスカレーターは使わず。階段を上って最上階である8階に向かう。
だが7階まで来たところで力尽きた。
まゆり「さっき、ケータイて、誰と話してたのー?」
俺の後ろをついてくる少女──椎名まゆりが、息を切らした様子もなくそう聞いてきた。
俺は階段を上り切ったところで膝に手を置き、一息つく。
階段を使うべきじゃなかったかもしれん・・・・・。キツすぎ・・・・・。
額に滲む汗を手で拭いつつ、まゆりへと向き直った。
倫太郎「聞くな。それがまゆりのためでもある」
まゆり「そうなんだー。オカリン、ありがとー」
まゆりは嬉しそうに微笑んだ。
こいつは実に物分かりがいい。
俺の立場もわきまえてくれていて、深く突っ込んでくることもない。
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