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会場にいるのは、俺も含めて手持ちぶさたて、突っ立っている10人程度の男たち。
そう、たったの10人。
中鉢の知名度はそれなりのはずだし、タイムマシン開発に成功したという触れ込みなら、もっと集まってもいいはずだが。
倫太郎「あるいは“機関”によるなんらかの妨害を受けたのかもしれないな」
俺は自嘲気味につぶやき、わざとらしく唇を歪めた。
中鉢は元々──面識はないが──俺と同じ側にいる人間だったはずだ。
しかしそれを放棄して野に下った。
このタイミングを“機関”が見逃すはずがない。
倫太郎「巻き込まれるのは、勘弁だがな」
とはいえ、ヤツがなにを語るのかには興味がある。
だからこそ俺はわざわざ夏休みの昼下がりという貴重な時間を割いて、ここに来たのだ。
俺がつぶやいた独り言に、まゆりはしばらく考え込んだ後、かなり間を置いてまた首を傾げた。
まゆり「巻き巻きトカゲ?あ、それを言うならエリ巻きトカゲだねー。えっへへー」
俺はため息をついてしまう。
一人ボケツッコミ笑いとは実に脳天気なことだ。
まあ、まゆりは昔からこんな感じだが。
倫太郎「まゆり、気を付けろ。おそらくこの記者会見、なんらかの事件が起き──」
ジジジッ!
言ってるそばから来た!
ここの音はなんだ!?電磁波攻撃か!?
ズゥーーン!!
わずかに足許が揺れた。
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