理駆と逢氷

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二人は靴箱の所で別れ、それぞれの教室に向かった。 理駆は自分の教室に着くと、用具を机の中に仕舞って鞄を片付けた。 「…おい、理駆。 何か言うことはないのか?」 担任はわなわなとした口調で、苦笑いしながら理駆に問う。 理駆はそれに気が付き、姿勢を正して担任に向き直った。 「すいません! 寝坊しました!」 クラス全体に響き渡る声で言った理駆は、一瞬でクラスの笑い者へと化した。 理駆は照れ笑いをしながらも、担任に深々と頭を下げて、すぐ自分の席に座った。 担任は笑いながら溜め息をつくと、授業を開始させるようにクラス委員に指示をした。
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