好きだよ、理駆。

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「理駆!」 「…あ、逢氷。はよ」 「おはよー!」 二人の少年が挨拶を交わす。 これは何処にでもある普通の光景。 一人は、髪をわざとらしくハネさせた茶髪の男の子。 名前は、笠垣 理駆(カサガキ リク)という。 一人は、髪をきちんと整えた、可愛らしい感じのする男の子だ。 名前は、雪野 逢氷(ユキノ アイヒ)。 何とも対照的な感じのする二人だが、実は周りも認める大の仲良しだ。 特に逢氷は理駆に対しては、すごい友愛を注いでいた。 逢氷だけじゃなく、理駆も逢氷を好きでいる。 『両想い』と囃されるくらい、この二人は仲がいい。 「…あ、ねぇ理駆。 数学の宿題やってきた?」 「ん?あぁ、やってきた! 結構簡単だったよな、あれ!」 「え、意外!理駆って勉強出来なさそうだもん」 「んだとコラ!」 「はは……」 二人は互いに笑いながらじゃれあう。 通学路であるということも気にせずに、二人は朝からはしゃいでいた。
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