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「じゃあな!」
「うん、またね」
理駆と逢氷は別れの挨拶を交わし、理駆は帰路につき、逢氷は家の鍵を締めた。
逢氷は施錠をしたあとも、なかなか玄関から動けずにいた。
何せ、逢氷が一番愛している人が家に来たのだ、人との関わりが下手な逢氷は放心状態になる。
逢氷はそれから自分の部屋に行き、理駆がさっきまで座っていた椅子を見詰めた。
そして逢氷は、その椅子の背もたれ部分に触れ、微笑んだ。
その笑顔は、目の奥に赤さを感じさせる程恐ろしかった。
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